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Aichi Science and Technology Foundation

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自動運転サービスの公開実験を実施します~安全性、コスト、サービスの課題解決をめざして~

 愛知県と公益財団法人科学技術交流財団(豊田市)では、産学行政連携の研究開発プロジェクト「知の拠点あいち重点研究プロジェクト※1Ⅳ期」を2022年度から実施しています。「プロジェクトDX※2」の「自動運転技術のスマートシティへの応用※3」では、名古屋大学の二宮(にのみや)芳樹(よしき)特任教授、アイサンテクノロジー株式会社(名古屋市中区)、株式会社東海理化(大口町)の研究グループが、自動運転の社会実装のために必要な技術として、インフラセンサーシステム※4による交差点での死角削減技術や、遠隔監視を支援する映像伝送・映像配置技術等に取り組んでいます。

 この度、プロジェクトの最終成果に向けて、2024年6月27日(木)、28日(金)の2日間、知の拠点あいち(豊田市)にて報道機関を対象とした公開実験を実施しますのでお知らせします。

公開実験では、上記の内容に加えて、自動運転車用センサーを活用したインフラ※5維持・管理の紹介、自動運転車の予約と試乗を行います。公開実験によりプロジェクトの達成状況を確認するとともに、研究開発の今後の指針とします。


1 公開実験

(1)日時

2024年6月27日(木)、6月28日(金) 午後1時から午後3時まで

(各日の受付開始:午後0時30分)

 

小雨決行とします。当日午前10時に、以下の知の拠点あいち重点研究プロジェクトWebページの「お知らせ欄」において、開催又は中止について掲載します。


(2) 会場

 「知の拠点あいち」あいち産業科学技術総合センター

(豊田市八草町秋合1267-1 電話:0561-76-8306)

当日は3階302室へお越しください。建物西側の来客用駐車場をご利用下さい。




  図1 走行ルート

  

(3) 対象

報道機関(事前の御連絡は不要です。)

一般の方は御覧いただけません。



(4) スケジュール

両日とも以下のとおりです。

時間

内容

13:00~13:15

研究テーマ概要と実験の見どころを紹介(3階 302室)

名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ社会研究所 特任教授 二宮 芳樹 氏

知の拠点あいち重点研究プロジェクトⅣ期で取り組んでいるテーマの内容を紹介します。

13:15~13:45

公開実験(3階 302室)

実験①:遠隔監視を支援する映像伝送・映像配置技術自動運転車に搭載した複数のカメラ画像を統合し、低遅延で遠隔監視者へ送信するデモを行います。

実験②:自動運転車用センサーを活用したインフラ維持・管理技術自動運転車のセンサーで取得したデータと、従来の測量車で取得したデータの精度を比較します。

13:45~13:55

 移動

13:55~14:35

公開実験(外周道路)

実験③:インフラセンサーシステムによる死角削減技術自動運転車が検知できない車両や人を、インフラセンサーで検知するデモを実施します。

実験④:デマンド交通システム※6と自動運転システムの連携技術自動運転車の予約と試乗を行います。

14:35~

質疑応答

15:00

終了

2 開発の背景

 レベル4自動運転※7サービスを実現させるため、2025年度までに全国で40件を目標とした実証試験が進められています。自動運転の実現に向けては、安全視点と事業視点の課題が残されています。安全視点では、死角のある交差点へ進入する場合に、安全確認のための長時間停車や人の介入といった課題、遠隔監視サポートを必要とするといった課題があります。また事業視点では、自動運転車が高コストである他、周辺技術の採算性やコストが見合わない、デマンド交通システムと連携できないといった課題があります。そこで、本プロジェクトでは、これらの安全視点と事業視点の課題解決を目指しました。

 

3 開発の概要

(1)  遠隔監視を支援する映像伝送・映像配置技術

 レベル4自動運転サービスを運用する際には、安全確保のために遠隔監視が義務付けられています。遠隔監視では、車両周辺状況を確認できる映像が遠隔監視者へリアルタイムに配信、表示されること、通信量を削減することが重要です。そこで本研究では、自動運転車の周囲360度の複数の映像を、高画質かつ低遅延で伝送可能とするとともに、人間工学の知見に基づいて監視しやすく配置する技術を開発しました(図2)。


                 

図2 映像伝送・映像配置例

 

(2)自動運転車用センサーを活用したインフラ維持・管理技術

 自治体では、道路・公共施設など街のインフラの維持・管理に使用する3次元地図について、定期的に更新しています。本テーマでは、自動運転車用センサーを活用して必要な時期にデータを取得し3次元地図を更新することにより、インフラを維持・管理する技術を開発しました。本技術を、拡幅工事後の道路形状の取得などインフラ維持・管理の一部へ活用することで、コストの削減が期待されます(図3)。


図3 自動運転車用センサーを活用したインフラ維持・管理

 

(3)インフラセンサーシステムによる死角削減技術

 本研究では、広い範囲をカバーできる認識性能の高いインフラセンサーシステムを開発しました(図4)。このシステムにより、見通しの悪い交差点へ進入する場合の安全確認のための時間が短縮されます。


 図4 インフラセンサーシステムの導入効果

 

(4)デマンド交通システムと自動運転システムの連携技術

 自動運転の地域社会への貢献として、複数の自治体のデマンド交通システム間を自動運転車が繋ぐ行政サービスが想定されています。本研究では、デマンド交通システムと自動運転システムを連携させるコネクトツールを開発しました。このツールにより広域交通連携が可能となり、利用者はデマンド交通システムの予約アプリを使って、簡単に自動運転車の予約と利用ができるようになります(図5)。



             図5 デマンド交通システムと自動運転配車の連携技術

 

4 期待される成果と今後の展開

 先進的自動運転技術を軸に移動サービスと全体システムの構築を推進することにより、レベル4自動運転サービスの実現につながることが期待できます。

 今後は、実用化レベルに達している技術について、2025年以降に製品化を進めていくとともに、デマンド交通システムの事業者や自動車メーカーとの協業を視野に、全国へ実用化展開を行う予定です。

 

5 社会・県内産業・県民への貢献

社会への貢献

タイミングよく低コストで都市インフラを維持・管理できる。死角交差点や自動運転車周辺の安全確認に要する時間を短縮し、安心・安全な自動運転サービスを実現できる。

県内産業への貢献

本テーマの成果が活用されることにより、県内自動運転サービスの普及促進、関連産業・交通の事業チャンス拡大に繋がると同時に、インフラ保守、見守りにより関連産業進展に貢献できる。

県民への貢献

国内でもいち早く次世代交通サービスや交通手段を実現できるため、県民の安全・安心、生活クオリティの向上に貢献でき、県内における移動困難が解消される。

                                      

6 問合せ先

【重点研究プロジェクト全体に関すること】

あいち産業科学技術総合センター 企画連携部企画室

担 当:日渡、佐藤、村上

所在地:豊田市八草町秋合1267番1

電 話:0561-76-8306

 

公益財団法人科学技術交流財団 知の拠点重点研究プロジェクト統括部

担 当:佐野、安藤、金田

所在地:豊田市八草町秋合1267番1

電 話:0561-76-8370 (*原則、メールにてお問合せ下さい)

公開実験に関すること】

公益財団法人科学技術交流財団 知の拠点重点研究プロジェクト統括部

担 当:佐野、安藤、金田

所在地:豊田市八草町秋合1267番1

電 話:0561-76-8370 (*原則、メールにてお問合せ下さい)

 

 

【本開発内容に関すること】

(技術関連)

国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学 未来社会創造機構

モビリティ社会研究所 モビリティサービス研究部門

担 当:二宮 芳樹

所在地:名古屋市千種区不老(ふろう)町(ちょう)         

電 話:052-789-4841(*原則、メールにてお問合せ下さい)

 

(製品関連)

アイサンテクノロジー株式会社

モビリティ・DXビジネスグループ モビリティ事業本部 3DMap事業部

担 当:大石(おおいし) 淳也(じゅんや)

所在地:名古屋市中区錦(にしき)三丁目7番14号

電 話:052-950-7500

 

【用語説明】

※1  知の拠点あいち重点研究プロジェクト

    付加価値の高いモノづくりを支援する研究開発拠点「知の拠点あいち」を中核に大学等の研究シーズを活用したオープンイノベーションにより、県内主要産業が有する課題を解決し、新技術の開発・実用化や新たなサービスの提供を目指す産学行政の共同研究開発プロジェクト。2011年度から2015年度まで「重点研究プロジェクトⅠ期」、2016年度から2018年度まで「重点研究プロジェクトⅡ期」、2019年度から2021年度まで「重点研究プロジェクトⅢ期」を実施し、2022年8月から「重点研究プロジェクトⅣ期」を実施している。

 

「重点研究プロジェクトⅣ期」の概要

実施期間

2022年度から2024年度まで

参画機関

15大学 7研究開発機関等 88社(うち中小企業59社)

(2024 年3月時点)

プロジェクト名

・プロジェクトCore Industry

・プロジェクトDX

・プロジェクトSDGs

※2 プロジェクトDX

研究テーマ

【研究開発分野】デジタルテクノロジー・ICT

D1 モノづくり現場の試作レス化 /DXを加速するトライボCAE開発

D2 DXと小型工作機械が織り成す機械加工工場の省エネ改革

D3 MIをローカルに活用した生産プロセスのデジタル革新

D4 IT・AI技術を結集したスマートホスピタルの実現【研究開発分野】ロボティクス

D5 繊維産業に於けるAI自動検査システムの構築に関する研究開発

D6 〈弱いロボット〉概念に基づく学習環境のデザインと社会実装

D7 愛知農業を維持継続するための農作業軽労化汎用機械の開発と普及【研究開発分野】自動車・航空宇宙等機械システム(ソフト)

D8 自動運転技術のスマートシティへの応用

D9 自動運転サービスを実現する安全性確保技術の開発と実証

参画機関

7大学 4研究開発機関等 30社(うち中小企業19社)(2024年3月時点)

 

※3 自動運転技術のスマートシティへの応用

研究リーダー

名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ社会研究所          特任教授 二宮 芳樹 氏

事業化リーダー

アイサンテクノロジー株式会社 大石 淳也 氏

参加機関

(五十音順)

〔企業〕

アイサンテクノロジー株式会社、株式会社東海理化

〔大学〕

国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学(名古屋市)

〔公的研究機関〕

あいち産業科学技術総合センター(豊田市)

公益財団法人科学技術交流財団(豊田市)

 

※4 インフラセンサーシステム

  見通しが悪い交差点(自動運転車搭載センサーの検知範囲外)において、インフラ側(電柱、街灯、信号機など)にカメラ、レーダー、ライダー等のセンサー(インフラセンサーと呼ぶ)を設置し、無線通信により自動運転車が自車センサーとインフラセンサーとを組み合わせて利用するシステム。

 

※5 インフラ

  ここで「インフラ」とは、河川や道路などの土木構造物および、道路に関わる公共施設(信号機、道路標識、道路照明施設など。)等を指す。

 

※6 デマンド交通システム

  利用者のニーズ(移動時間、場所など)に応じて、柔軟に運行する移動サービスの一種であり、予約することが必須である。運営主体(自治体かそれ以外)、運行方式(自宅から病院までなど自由に指定できるか、乗車・降車の場所が限定されるか)、などのさまざまな運営形態がある。

 

※7 レベル4自動運転

  自動運転のレベル分け(レベル1~5)のうち、あらかじめ決められた特定条件(自動運転可能な走行場所や走行速度、天候など)において、システムが全て自動運転すること。

実際に自動運転を用いて移動サービスを実施するには、従来の運転者に代わり「特定自動運行主任者」などが安全確保のために遠隔監視を担うことが義務付けられている(資料:警察庁「特定自動運行に係る許可制度の創設について」令和4年6月)。

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